冬が終わり、暖かくなると公園の木々も緑が濃くなってきました。その頃、エッフェル塔近くの散歩コースでも3月中旬になると桜の開花が始まりました。3月上旬はまだ気温が低く、曇りや雨の日が続いていましたが、下旬には気温も上がり、桜はようやく見頃を迎えました。
日本とフランスの桜シーズンの考え方
4月に入ると、防寒着も不要になり、人々の外出も増え、観光客の姿も多く見られるようになりました。
日本では3月は卒業シーズン、引っ越しシーズン、そして花見シーズンと重なり、4月には入学式があります。桜はこれらのイベントと密接に結びついています。しかし、フランスでは3月は特に大きな休暇期間がありません。
参考リンク
- パリで新生活を始める方へフランスの学校休暇日程の記事をご覧ください。
日系コミュニティにとっての桜
日系の保育施設や学校に通う子どもたちは、日本の学校カレンダーに従っているため、彼らの卒業シーズンは日本と同じく3月に訪れます。卒園、卒業していくお友達がいて、フランス国内に進学する方、日本に帰国する方などの思い出も花を添えます。桜はそれらのイベントにとって、特に印象に残る思い出になります。
大人であっても、優しい色に包まれた風景を見ると、特別な春の安らぎを感じられます。
エッフェル塔と桜
エッフェル塔の近くで桜を背景にした写真です。3月は晴れ間が少なく、多くの日が曇りや雨で、理想的な写真を撮る機会は限られていました。しかし、トロカデロ庭園の噴水の両サイドに位置する桜は、どちらの方向からでもエッフェル塔を撮影可能です。曇りがちな空のため、日差しが遮られると景色はすぐに暗くなってしまいます。
シャイヨー宮と桜
シャイヨー宮を背景に桜を撮影すると、以下のような光景が広がります。
青空の下では、桜と建物が明るく美しく映り、景色全体が生き生きとして見えます。日が差すと、桜の花は一層輝きを増し、シャイヨー宮も鮮やかに映えます。しかし、パリの天候は変わりやすく、太陽が雲に隠れると、たちまち暗い印象に変わってしまいます。
実際には、数分のうちに桜の色が暗くなり、背景の雲は、ほぼそのままであることもあります。このように、パリの春は、わずかな天気の変化で写真全体の印象が大きく変わるため、撮影者にとっては、このような気まぐれな天候は扱いが難しいです。
公園と桜
こちらはトロカデロ庭園(Jardins du Trocadéro)のそばにあるJardin d’enfantsの風景です。4月に入り、気温が暖かくなると共に、桜も美しく開花しました。子供たちは桜が咲く公園で元気に遊び、幼い頃から桜の下で過ごす貴重な体験をしています。公園の桜に囲まれた入り口をくぐると、春の日差しが訪れる人々を特別な気持ちをもたらします。
パリ水族館前の桜
4月になると、トロカデロ庭園では工事が始まり、3月に見られた風景が大きく変わりました。シャイヨー宮周辺の桜はすでに散り、地面は完全に緑色に変わっています。異常に暖かい日々や突然の雨が、桜の散る時期を早めたのかもしれません。
しかし、トロカデロ庭園のすぐそば、Aquarium de Paris(パリ水族館)の前では、まだ桜を楽しむことができます。
関連リンク(※1):フランス・パリでは低気圧で黄色警報になる:セーヌ川の水位は?
桜を見た感想
フランス・パリの春の中で桜を見ることが出来ました。エッフェル塔やシャイヨー宮といった歴史ある観光名所を背景に咲く桜は、いつもの見慣れた景色を少し違った印象にさせてくれる魔法の様です。
しかし、日本における桜の楽しみ方とは違い、パリでは桜が風景の中で主役を演じるというよりは、あくまで美しいアクセントとして添えられているようです。
パリでの桜の存在感は、日本の花見の文化とは全く違う景色でした。日本では、桜の開花は春の訪れを告げ、人々を公園や川沿いに集め、お花見という名の下で共に食事を楽しみ、桜の下で時間を過ごす憩いの場です。
一方で、パリでは桜がそのような大々的な集まりの理由とはなっておらず、むしろ日常の風景の一部として静かに楽しまれているようです。
この日仏の違いは、文化的背景が関わっている為、桜を通じて異なる国々の春の過ごし方を垣間見ることができます。パリでは、桜は派手なお祭り騒ぎではなく、都市の風景に溶け込む自然の一部として、静かにその場を彩っています。
その控えめな美しさが、パリにおける桜の魅力かもしれません。
このように、パリでの桜の楽しみ方は、日本とは異なる独自のものでした。しかし、文化の多様性にも対応できる「桜」の良さが世界中で愛される理由なのかもしれません。
Q&A
Q: エッフェル塔近くで桜を見るのに最適な場所はどこですか?
A: トロカデロ庭園やシャイヨー宮の近くでは特に美しい桜の景色が見られます。これらの場所は、エッフェル塔の素晴らしい背景と合わせて、春の訪れを感じさせてくれます。
Q: パリの春の天候とその写真撮影への影響について教えてください。
A: パリの春は変わりやすい天候が特徴です。晴れた日は桜が鮮やかに映えますが、曇りや雨の日は独特のムードがあります。最高気温が25℃になる日もあれば、最高気温が12℃くらいになる日もあります。
Q: パリで桜の季節に特別なイベントは開催されますか?
A: パリでは桜の季節に特定の「桜祭り」は少ないですが、パリ近郊のソー公園が広くてお勧めです。一般的に多くの地元住民と観光客が桜を見ながらピクニックを楽しむ風景を見ることができます。
関連リンク
- パリ近郊で楽しむ桜の花見: ソー公園で抹茶を楽しみながら桜を鑑賞する方法について。
- エッフェル塔周辺で気を付けること: 最新の訪問ガイドと個人的な発見を紹介。
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