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パリの歯医者を初体験!通訳さん付きで安心の治療◇日本との違い

待合室の風景です。

パリでは、美しい街並みと文化の中で、予期せぬトラブルに見舞われることもあります。例えば、歯の治療です。国外での医療体験は技術や器具の違いなど、多くの人にとって不安の一つです。私もその一人でした。今回は、初めてパリの歯医者を訪れた際の体験をご紹介します。言葉の壁、治療方法の違い、そして思いがけない発見について。パリでの歯科治療を検討している方や、海外で医療サービスを利用する際の参考になれば幸いです。

目次

歯医者に通った背景

私は日本にいるときに【歯の治療だけはしっかりとやっておかなくてはいけない】と、日本の行きつけの歯医者さんに何度も通って検診や古い詰め物の交換、歯石除去など、出国前に入念に準備をしていました。「パリの歯医者は高いよ(数万はかかるよ)」と事前に聞いていたので、この時点で、おそらくパリで歯医者に罹ることはないだろうと思っていました。虫歯に気を付けていれば大丈夫だと思ったからです。

しかし、半年も経たず、歯医者に行くことになってしまいました。パリに来て2か月目、特段、固いものを食べたわけではないのですが、何気なく中華料理屋で、酸性の熱いスープを飲んだのです。

スープを飲んでいると、あれだけ気を付けていた詰め物が、いとも簡単に取れてしまいました。取れる時はあっけないものです。詰め物の接着剤と熱いものの相性があまり良くないのか、私は熱いものを食べている時に取れることが多いです。

まさか来たばかりで歯医者に通うことになるとは思いませんでした。パリで歯医者さん探しです。全くの想定外です。

歯科医探し

歯科医選びは、「在仏日本人会のホームページ:日本語が通じる歯科医」で、自分に合った歯科医を選ぶことをお勧めします。住んでいる地区からの距離や、治療中の通訳の有無などを参考に、自分に合う歯科医を選ぶことが出来ます。場所を選んだら、メールか電話で問い合わせです。

まず、パリで日本語が通じる歯科医を探してみました。日本語が通じる歯科医の方が安心感があります。先生が日本人じゃなくてもいいのですが、医療保険など日本人の仕組みを知っている方が安心感があります。

条件に合う歯科医が何件かありました。通訳する時にも別途、料金が発生するというのはどの歯科医も、電話の窓口の方が教えてくださったので助かりました。

実際、治療の内容も電話で伝えていて、事前に大まかな料金を教えてくださいました。例えば、「どのような治療を受ける予定ですか?」などと聞かれるので、自分の治療について相談できます。その時点でクレジットカードが使えるか、事前に確認することもお勧めします。現金を持っていく場合が多いかもしれません。

参考リンク

詳細な情報やリストについては、在仏日本人会のホームページ:日本語の通じる医療従事者リスト、予防接種、2024年度版をご覧ください。

パリの歯医者

待ち時間

待ち時間では、問診票に記入します。住所や電話番号などがすぐにわかるようにしておいた方が良いと思います。私の前には患者さんが2名いましたが、2名とも日本人の方でした。

それぞれ、同じ通訳さんを使っていました。別々に会計をしていますが、料金は同じ金額が聞こえてきました。私が事前に聞いていた料金と同じ料金です。おそらく治療内容も同じだと思います。

先生・通訳さん・私

自分の番になりました。先生はとても明るい女性の先生でした。「Bonjour!」と笑顔で話しかけてくれます。通訳さんは日本人の方で、しっかりと患者さんの話を聞いてくれそうな方で、翻訳アプリの誤訳の心配が無く安心感があります。

私は翻訳アプリを持っているのですが、あえて通訳さんのオプションを頼んで先生との診察を仲介してもらうことにしました。翻訳アプリを使った方が良いのか迷いましたが、結果的には通訳さんがいてくれて良かったと思いました。

なぜかというと、歯の治療をしている時は、しっかりと声を出して話すことが出来なかったからです。口を開けた状態、仰向けの状態ではスマホアプリで満足に喋ることが出来ません。ですから、通訳さんに代わりにしっかりと伝えてもらった方が助かることが多かったです。


治療をしている時も、通訳さんがいるおかげで作業が中断することもなく「痛くないようなので麻酔はせずに続けます。」と伝えてくれるので、手を挙げたり、返事をするだけで続行出来ます。

感想

先生が会話しながら作業してくださり、通訳さんもその都度、私に伝えていただけるのでとても効率が良かった気がします。治療が終わった後も、「その他の歯も診察するかどうか」を聞かれます。歯石を除去する治療や一年ごとの検診など、いろいろと選べるようです。日本から出国する前に診てもらっているので、今回はお断りしました。

ちなみに、詰め物を新しくすると、銀歯という選択肢が無く【医療用のプラスチック】または【セラミック】を選ぶことになります。おそらく、日本で聞いた「パリの歯医者は高いよ(数万かかるよ)」というのは、セラミック治療を差していたのだと思います。

日本と比べて、医療体制にどのくらい違いがあるのか不安でしたが、心配いらなかったです。全体的にとても良かったので、何かあったらまたお願いしたいと思いました。保険のことも、日本人スタッフがいるおかげで、不安にならずに聞きたいことが全部聞ける環境でした。

日本と違うこと

照明が眩しくない

パリに来て初めての歯医者だったので、日本とどれくらい機器が違うのだろうか、とても興味がありました。

まず、仰向けになった時に、歯に当たる照明が少し違います。日本だと、キラッと光ってまぶしい時があったりしますが、フランスでは顔に当たらないような照明でした。青白い光で一度も顔に光が当たらなかったです。

顔にタオルを当てない

治療している間は、日本だと顔にタオルを当てていた気がするのですが、こちらではタオルは使ってませんでした。

理髪店美容院もそうですが、【顔にタオルを当てない文化】なのだと思います。治療器具は日本医療器具とほとんど変わらない気がしました。歯の掃除をしながらノズルで唾液やゴミを吸い取る方式で、同じです。

紙コップが無い

ただ日本と違うのは、口の中を紙コップですすぐ工程がありませんでした。日本ならば口の中に何か器具を入れたり、ガーゼを入れたり、かみ合わせする時など、その都度紙コップで口をすすいでいた気がします。

3回、4回と、口をすすぐ工程があった気がします。

しかしフランスでは、全くその工程がありません。そもそも、紙コップ自体が置いてありません。詰め物を装着して終了したあとも、口をすすぐ工程が無いのが驚きでした。

治療を終えて部屋から出ていくときは口の中に細かい破片がいくつか入っている状態でした。ちょっとした衝撃です。

口の中の細かい破片は気になったので、そのまま指で口の中の異物を取って、ズボンのポケットに閉まって部屋を出ました。しかし、フランスの人は全体的に日本人の対してもとても気さくで雰囲気も良い印象です。

金属の詰め物が無い

日本と違って、銀歯というものが存在しないようです。銀歯というのは、日本では当たり前ですが、銀歯にはいろんな金属が混ざっていて身体に悪いということが言われています。

フランスの場合はどうするかというと、医療用のプラスチック、もしくはセラミックという選択肢になります。

医療用のプラスチックの詰め物だと、安価に治療できます。逆にセラミックを選ぶとかなりの高額になります。患者が選べるということなので、この2択を選択することになります。今回は取れた詰め物を接着剤で嵌めるだけにしました。

急に決断を迫られると心の準備が整っていないので、どちらか選ぶことが難しいと感じました。

まとめ(持参した詰め物の治療)

パリでの歯科治療体験を通じて、私が特に印象に残った点をいくつか挙げさせていただきます:

  • パリの歯科医院では、照明が眩しくなく、治療中の快適性が向上しています。これは、顔に直接照明が当たらないよう工夫されているためです。
  • 治療中、顔にタオルを当てる習慣がなく、また、紙コップでの水うがいも行われません。これらの違いは、最初は意外に感じるかもしれませんが、すぐに慣れます。
  • 通訳さんの存在は、言葉の壁を感じることなく治療を受ける上で大きな安心材料となります。ただし、通訳サービスには30ユーロの費用がかかります。
  • 治療中は会話が難しい場合がありますが、通訳さんがスムーズなコミュニケーションをサポートしてくれます。
  • 私が持参した詰め物の修復費用は40ユーロでした。パリでは、銀歯(金属の詰め物)のオプションがなく、選択肢は医療用プラスチックやセラミックに限られます。
  • パリでは、口腔健康と総合的な美しさを考慮して、銀歯よりも自然な見た目の医療用プラスチックやセラミックが推奨されています。
  • 幸いなことに、多くの治療費は後から保険でカバーされますので、事前に保険の適用範囲を確認しておくことをお勧めします。

パリで歯科治療を受けることは、私にとって多くの新たな発見がありました。特に日本人スタッフの存在は大きな安心感を与えてくれます。この経験が、パリでの歯科治療を検討されている方々の参考になれば幸いです。文化的な違いや医療環境の差を体験することになると思いますが、安心して質の高い治療を受けるために、事前の準備と開放的な心構えが重要であることを忘れないでください。

パリでの歯科治療を前向きに、そして安心して迎えられるように、この記事が皆さまの一助となれば幸いです。

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