パリでは、ストライキが日常茶飯事です。今年に入ってからも、小学校の教員、鉄道会社、航空管制官、多くの業界でストライキが行われました。ストライキのたびに、パリのニュースで大きく取り上げられています。
そして今月、ついに我が家の子供たちが通う現地の幼稚園・小学校にも影響が…。お昼休みの時間をサポートする「アニマトゥール」がストライキを起こし、学校でお昼を食べられなくなりました。
animateur(アニマトゥール)とは?
アニマトゥールは、幼稚園や小学校で昼休みやバカンス中に子供たちと遊んだり、レクリエーションを企画してくれるスタッフのことを指します。
彼らは教員ではなく、休み時間や放課後に子供たちの活動を見守る専門スタッフです。先生たちが休憩を取る間、安全に遊べる環境を提供してくれます。
レジャーセンターではスタッフが毎月変わる?
今夏、バカンス中に子供をソントル・ド・ロワジール(レジャーセンター)に通わせました。ところが、7月と8月では管理体制が変わるためか、8月初めにアニマトゥールのスタッフが全員入れ替わってしまいました。
突然の環境の変化に、子供たちが馴染めるか心配でしたが、そこはさすがプロ!新しいスタッフたちは、すぐに子供たちの心をつかみ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
待遇改善を求めるためのストライキ
ストライキの告知文には、主に給料の見直しや待遇改善を求める内容が含まれており、それを理由にストライキを実施すると記載されていました。
今回のストライキは火曜日から金曜日までの4日間で、一部の地域で実施されました。近隣の区では通常通り活動が行われていた場所もあり、どうやら大規模なストライキではなかったようです。
この通知は先週発表されたため、家庭によっては急な対応を余儀なくされたところもあったかもしれません。それでも、ストライキが頻発するフランスでは、こうした状況に慣れているのか、周囲の人々は特に不満を漏らすことなく日常生活を送っていました。
「またか」と思いつつも、これがフランスの文化なのだと感じさせられる出来事でした。
お昼休みのお迎え時間に困った話
今回のストライキで、幼稚園や小学校ではお昼の時間に子供を迎えに行かなければならなくなりました。午前11時30分、学校の玄関で先生から子供を引き渡されます。そして、午後13時20分には再び幼稚園や学校に送り届けます。
一旦自宅に戻ると、幼稚園に通う子供は「もうお昼の後はお休みだ!」と勘違い。「もう一度幼稚園に行くよ」と伝えると、案の定「嫌だ!パパと遊びたい!プラレールする!」と大反発。ここでまさかの“幼児のストライキ宣言(?)”が始まりました。
それでも何とか説得して送り届けましたが、子供にとっては“お昼休み=その日のおしまい”という考えが強いらしく、なかなか納得してくれませんでした。親としても少し困った出来事です。
お昼寝の時間はどうなる?
昼ご飯を食べるとすぐに寝てしまう日もあれば、全く寝てくれない日もありました。特に、寝た日は起こしてすぐに幼稚園に連れて行くのが少々大変で、親としてはハラハラすることも。。
一方で、昼ご飯の後に寝てくれない日は、夜ご飯を食べた後にそのまま寝てしまうという生活リズムに。子供が「寝る時間はあったよ」と言っていたものの、一日の流れが不規則になり、夜すぐに寝る日がある一方で、夜遅くまで起きている日もあったりして、なんとも落ち着かない一週間でした。
フランスのストライキから学ぶ、日常の対応力
フランスでは、ストライキが頻繁に起きますが、事前に告知されることがほとんどです。そのため、早めに情報を掴んで対応を考えることが重要です。ストライキの告知は、幼稚園や小学校では連絡ノートや先生からの直接のお知らせとして届きます。家庭ではその情報をもとに、スケジュールを調整したり、必要に応じて職場と相談することになります。
職場でも、こうしたストライキ対応に慣れているため、柔軟に勤務時間を調整してくれるケースが多いのもフランスならではです。また、地域ごとにストライキの影響が異なることがあるため、近隣の家族や知人と情報を共有しておくのも役立ちます。
今回のストライキを通じて改めて感じたのは、フランスの人々がストライキを「生活の一部」として受け入れ、慌てず冷静に対応していることです。ストライキが発生しても「またか」と軽く受け止め、何事もなかったかのように日常生活を送る姿勢には驚かされます。こうした柔軟性や対応力は、日常のトラブルにも役立つヒントになるのではないでしょうか。
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