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パリでの子供の留守番:わずか15分の留守番が通報された事例を紹介

フランスでは子供を一人で放置することが重大な社会的、法的問題へと発展することがあります。短時間であっても、この行為は厳しい罰則を受ける可能性があり、フランスに来たばかりの家庭では、特に気を付ける必要があります。

目次

フランスでの心構え

今回の経験を通じて、フランスで子育てをする際に気をつけるべきポイントをまとめてみました。

シッターの利用も選択肢に
もし人手が足りない場合は、シッターさんを雇うことも一つの方法です。安心して任せられるプロに助けてもらいましょう。利用者は多いです。

フランスのルールを早めに教える
特に引っ越したばかりの頃は、子供にもフランスの生活習慣やルールをしっかり教えることが大切です。

短時間でもお留守番は注意
例え短時間であっても、子供を一人で留守番させると、思わぬトラブルで警察沙汰になることがあります。

公園では必ず子供と一緒に
子供だけで公園に行かせるのは禁物です。親が常に一緒にいて、見守ることが求められます。

学校の送り迎えは手をつなぐくらい慎重に
学校の行き帰りは必ず一緒に行動し、できる限り手をつないで安全を確認しましょう。

まさか通報されるなんて…

帰宅

引っ越して間もない頃、夏休み中のある朝のことです。私は家族3人で15分ほど買い物に出かけ、子供を一人家に残していました。

帰宅すると、隣人がアパルトマンの階段で電話をしていました。「何だろう?」と思っていると、隣人がこちらに向かって「この部屋の住人ですか?」と焦った様子で尋ねてきます。

「中からドアをノックする音と、子供の叫び声が聞こえるの!」

隣人の心配

隣人は、子供の安全を心配して誰かに電話をかけているようでした。確かに、私の子供が部屋の中で泣いている声が聞こえます。すぐにドアを開け、「どうしたの?」と尋ねると、留守番していた子供は「寂しかった!」と泣きじゃくっていました。

あれほど「一人で家にいる」と言い張っていたのに、たった15分でこの状態です。

私は隣人に「緊急の事態ではなく、怪我もしていません」と事情を説明しました。隣人は安心した様子を見せましたが、こう言いました。「フランスでは、子供を一人で家に残してはいけないんですよ」と、少し厳しく叱られてしまいました。

まさかの電話相手

驚いたことに、隣人が電話していたのは警察でした。「今、住人が帰ってきました。もう大丈夫です」と警察に報告していました。もう少し帰りが遅れていたら、警察が家まで来ていたかもしれません。

私たちは事なきを得ましたが、フランスでは子供を一人にすることがどれだけ問題視されるかを痛感しました。日本では当たり前のように子供を留守番させることができますが、フランスでは簡単に外出するのが難しい社会だと改めて感じました。

フランスの子供事情

送り迎え

信じられないかもしれませんが、フランスでは小学校の子供は10歳頃までは親が一緒に学校へ送り迎えをしなければなりません。親子で電車やバスに乗って通学するのが一般的で、車を使う場合でも学校の中まで送ることが求められます。

そのため、学校に駐車場がない場合は道路の片側に車を停め、素早く子供を送り届けて戻らなければならず、少し手間に感じることもあるでしょう。日本のように玄関で「いってらっしゃーい!」と送り出すことができないのは、驚きかもしれません。

フランスでは、常に大人と子供が一緒に行動することが一般的な社会です。

誘拐が多いフランス

さらに、フランスでは誘拐事件が比較的多いと言われています。毎年多くの人々が行方不明になり、その大半が性的な目的での誘拐だと報道されています。

日本のテレビ番組で、幼児が一人で【おつかい】をするシーンを見たことがあるかもしれませんが、これを見た外国人は非常に驚きます。フランスでは、子供だけで外を歩かせること自体が考えられないからです。

実際、日本で幼児におつかいをさせる機会は少ないかもしれませんが、フランスに来てみて、改めて【子供に対する安全意識の違い】を強く感じるようになりました。

日本との違い

日本では、子供を留守番させて警察沙汰になるということはほとんど聞きません。しかし、考え方を少し変えると、似たような状況は存在します。例えば、夏の暑い日に駐車場で子供を車内に放置した場合、警察が介入することもありますし、保育園バスで子供を置き去りにすることは絶対に許されません。これには厳しい罰則が設けられています。

つまり、フランスの法律も同じで、子供に危険が及んだ場合、それを防ぐために社会的な対応が求められているのです。

放課後の迎え方

フランスでは、放課後になると先生が校舎からクラスの児童たちを連れて出てきます。児童が一人ひとり親に引き渡される際に、先生が必ず保護者を確認します。この制度のおかげで、先生とは毎日顔を合わせることができます。

共働きの家庭では、シッターさんが代わりに子供を迎えに来ることも一般的です。連絡事項がある場合、先生はその場で伝えてくれることが多いですが、時には学校側からメールで連絡が来ることもあります。

さらに、保護者同士で作られたグループ連絡手段を活用して、学校からの連絡事項が漏れた際や、疑問・質問が行われることもあります。これによって、親同士の連携が深まり、学校からの連絡の見落としや小さな問題にも素早く対処できるようになります。

公園での過ごし方

フランスでは、10歳未満の子供が公園に行く際、必ず親が一緒に同行します。日本では、学校帰りに子供たちだけで集まって遊ぶことも珍しくありませんが、フランスではそれが一般的ではありません。子供たちは常に親に見守られながら遊びます。

この習慣のおかげで、親同士のつながりが深まったり、子供のお友達と接する機会が増えたりします。特に、親が一緒に過ごす時間が多いので、子供の成長過程を見守ることができます。

パリには多くの日本人が住んでいるため、他の学校に通う日本人とも知り合う機会が多く、交流の場が広がります。日本語での情報交換やサポートも期待できるので、安心して新しい環境に飛び込めます。

フランスに移住を考えている方や、これから生活する方は、ぜひこの情報を参考にしてみてください。文化や考え方の違いを知ることで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズに新生活をスタートできるはずです。

フランスでの関連ニュース

最近、フランスの紙面を騒がせたニュースの一つに、ある保護者が子供を車内に放置した事件があります。保護者は「ほんの少し離れただけ」と主張していましたが、監視カメラの映像から、実際には1時間以上その場を離れていたことが確認されました。結果、保護者は逮捕され、社会に大きな衝撃を与えました。

この事件は、フランスがいかに厳しく子供の安全管理を重視しているかを示しています。短時間のつもりでも、子供を一人で残すことのリスクがどれほど大きいかを考えさせられるニュースです。子供の安全を守るためには、親が常に注意を払う必要があるというメッセージが強く発信されています。

このように、フランスでは、子供を一人にすることは重大な問題として報道されることがあります。これからフランスに来られる方は、フランスの法律や習慣に十分注意し、子供を一人にしないよう特に心がけてください。

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