フランスは、多様な文化と地域ごとの特色で知られていますが、教育システムにおいても地域によって異なる特徴が見られます。特に、学校の休み期間は地域によって異なり、全国を3つのゾーンに加え、コルシカ島やフランスの海外県を含む特別な地域に分けて、それぞれ異なるスケジュールで休暇が設定されています。このような制度は、旅行シーズンの混雑を避け、各地域の観光業に均等な機会を提供するため、また地域ごとの気候条件に合わせるために設計されています。
フランス本土は3つのゾーンに加え、Corse(コルシカ島)およびフランスの海外県といった特別な地域に分けられています。
ゾーンA
ブザンソン、ボルドー、クレルモンフェラン、ディジョン、グルノーブル、リモージュ、リヨン、ポワティエなど。
ゾーンB
エクス・マルセイユ、アミアン、リール、ナンシー・メス、ナント、ニース、ノルマンディー、オルレアン・トゥール、ランス、レンヌ、ストラスブールなど
ゾーンC
クレテイユ、モンペリエ、パリ、トゥールーズ、ベルサイユ
Corse(コルシカ島やフランスの海外県)
コルシカ島、グアドループ、ガイアナ、マルティニーク、マヨットおよびレユニオン
このように、フランスでは地域ごとに異なる休暇スケジュールが設定されています。これは家族の計画にも大きな影響を与えています。詳細なスケジュールや最新の情報については、フランス政府の公式ウェブサイトをご覧ください。詳細はこちら(フランス政府)からアクセスできます。
2025年度フランスの学校休暇日程
秋季休暇・ABC共通
2024年10月19日(土)授業終了
2024年11月4日(月)授業再開
祝日
2024年11月1日 諸聖人の祝日
2024年11月11日 休戦記念日
クリスマス休暇・ABC共通
2024年12月21日(土)授業終了
2025年1月6日(月)授業再開
休日
2024年12月25日 クリスマス
冬季休暇
・ゾーンA:2025年2月22日(土)授業終了 2025年3月10日(月)授業再開
・ゾーンB:2025年2月8日(土)授業終了 2025年2月24日(月)授業再開
・ゾーンC:2025年2月15日(土)授業終了 2025年3月3日(月)授業再開
春期休暇
・ゾーンA:2025年4月19日(土)授業終了 2025年5月5日(月)授業再開
・ゾーンB:2025年4月5日(土)授業終了 2025年4月22日(火)授業再開
・ゾーンC:2025年4月12日(土)授業終了 2025年4月28日(月)授業再開
こちら(フランス政府)からフランスの学校カレンダーをダウンロードできます。
最新の休暇日程については、公式サイトをご確認ください。
フランスの祝日に関して:在日フランス大使館をご覧ください。
家庭でのバカンスの過ごし方
フランスでの生活で、さまざまな解決策を見つけてみましたので、ご参考になれば幸いです。
- 地域の学童保育(ソントル)の活用: 現地の幼稚園、現地の小学校に通わせ、子供達に豊かな体験をしてもらいます。未就学児の場合はおむつが取れている事が入園の条件です。
- スポーツアクティビティーに登録する:パリ市のホームページからアクセスし、無料または有料のスポーツアクティビティに参加する。
- 家族旅行: 家族全員で遠出をして一緒の時間を過ごしたり、普段は行けない特別な休日のお出かけプランを提案します。フランスでは、バカンスを楽しむために仕事をするという考え方が一般的です。
- 家族で帰省:バカンス中はフランスは閉店しているお店も多いため、実家に一時帰省して祖父母や親戚などと遊んでもらいます。休み期間中は長いため、様々な過ごし方が出来ます。
- 祖父母の支援: 一時帰省をしたり祖父母を迎え入れて休暇を一緒に楽しんでもらいます。
- テレワークの活用: テレワークなども使い、仕事と育児を上手に両立して子供の面倒を見ることも出来ます。バカンス中は全ての仕事が休みとは限りません。
- ベビーシッターの利用: 信頼できるサービスを使って、必要なときにサポートに頼ってみます。ベビーシッターは、お子さんの面倒を見るだけでなく、フランスの日常生活に関する貴重な情報や知識も提供してくれます。
特に、パリのゾーンCに住む我が家では、未就学児を含め家族全員の春休みのスケジュールを合わせるのが難しいです。我が家が利用している日系保育施設は4月2週まで休暇ですが、現地校やインターナショナルスクールの春休みは4月6日からスタートします。このように、休暇のスケジュールが微妙にずれている状況は、計画を立てる上でなかなかの手強い挑戦です。
フランスと日本の保育料システムの違い
私たちが選んだパリの私立保育施設では、休暇期間中であっても、保育料が毎月一定額で請求されます。これに対して、フランスの公立保育園では、国から提供される補助金によって、保護者の経済的負担は大幅に軽減され、場合によっては実質無料になることもあります。私立施設ではこれらの補助金を受けられないため、保護者が費用の全額を負担することになります。このシステムは、日本で一般的な日割り計算とは異なり、フランスでの生活の中で顕著な違いの一つです。
特に8月は、多くの保育施設が夏休みで閉鎖されます。7月の長期休暇を前にして学校や施設を変更するか、または退園を選択する家庭も少なくありません。意外に思われるかもしれませんが、閉館中の8月であっても、保育料が半額や全額で請求されるのが一般的です。
フランスの生活では、バカンスが豊富で、休日も多く、日本と比べて生活リズムが大きく異なり、日本との違いを知るきっかけとなっています。
結論
フランスの教育や保育は地域や施設によってさまざまです。私たちがパリで体験している日系保育施設は、公立のシステムとは異なり、特に保育料の面で日本と大きな違いがあります。
それでも、この違いが地域の支援を探るきっかけともなり、フランスでは共働き家庭に対する理解が深いため、子供たちと質の高い時間を過ごしやすい環境が整っています。
フランスでの育児や学校生活は、新しい発見が多い一方で、時には挑戦も伴います。しかし、これらの経験を通じて子供たちが成長し、いずれ二つの文化を繋ぐ架け橋となってくれることを願っています。
この記事がフランスで新生活を始める家族の皆さんにとって、役立つ情報源であり、新しい環境でのサポートとなることを願っています。