フランスでは、低気圧「ピエリック」が4月6日に雷雨をもたらし、私の住む周辺パリを含む広範な地域が土砂降りの雨に見舞われました。主要メディアによると、これに伴いフランス国内の多くの地域で黄色警報が発令されました。これにより、夏の国際イベント開催を控えたパリにおける水質検査にも大きな影響を与えました。今年の雨は特に注目されます。
セーヌ川の水位が上昇
翌日、セーヌ川を確認したところ、水位が確かに上昇していることが観察できました。写真では捉えられませんが、橋の下を歩く人々も見られます。しかし、この程度の水位上昇では、立ち入り禁止などの特別措置は講じられていないようです。
橋の下を歩く人々は、恐らく靴が濡れてしまっているでしょう。
セーヌ川のこの様子を見ると、少しの水位上昇でも水没しやすい地域があることがわかります。それにもかかわらず、上流のダムは機能しており、水位の管理に一定の役割を果たしているようです。
Pont de Bir-Hakeemの近く、L’île aux Cygnesのセーヌ川中心部では、歩道が高い位置に設けられているため、普段通り散歩が楽しめます。
夏の国際イベントはどうなる?
今年の夏の国際イベントで、セーヌ川での水泳競技が実施されるかどうかは、水質の検査結果次第となっています。
4月8日現在の調査結果では、水泳に適した水質とは言えない状況です。昨年もイベント直前の降雨で水質が基準値を上回り、類似の問題が報告されていました。
セーヌ川は、大雨時に雨水と廃水が混ざり合い、川へと流れ込むことで、恒常的な水質問題を抱えています。このため、大腸菌や腸球菌など、人間の排泄物に由来する菌が川水に混入することがあります。
複数回の検査を実施してもなお、水泳に対する安全の全面的な保証を出すことができない状況では、競技の実施は困難であると考えられます。(4月9日現在)
しかし、関係者はこの問題に積極的に対処しようとしており、4月と5月には具体的な対策が講じられる予定です。
この対策では、直径50メートル、深さ30メートルの巨大な貯水槽を利用し、一時的に水位を下げることで水質の危機を防ぎます。(参考リンク:NHKの記事)
ところがパリ市が対策を講じたにも関わらず、6月に実施された水質検査で、セーヌ川の水質は、大腸菌や腸球菌が多く、汚染されているという結果が出ました。
6月は雨が非常に多く、水位も上がり、大腸菌や腸球菌が増え、水質が悪化しました。(6月26日現在)
7月上旬では、晴れ予報にも関わらず、一時的な雨は7月7日、7月9日と降りました。
7月中旬、ようやく晴天が続き、30℃に達する気温にも助けられました。セーヌ川の水位が下がり、太陽光によって十分に殺菌され、ようやく水質検査は合格となりました。
7月17日には、パリ市長がセーヌ川で泳ぐパフォーマンスを行い、水質改善の成果をアピールしました。(参考リンク:NHKの記事)
にもかかわらず、7月26日、夕方16時頃には雨が降り、その雨は7月27日夜まで続きました。この影響で7月30日のトライアスロン競技の練習が中止となりました。(7月30日現在)
現在、セーヌ川の水泳とトライアスロン競技のための代替計画が検討されており、選手の安全が最優先されています。しかし、7月30日の夜から7月31日の未明にかけて、雷を伴う雨予報になっています。現時点では7月31日の水泳は困難です。(7月30日更新)
まとめ
フランスを襲った低気圧「Pierrick」の影響で、日常の散歩で見ているセーヌ川の水位は目に見えて上昇し、通常ならば平穏な川岸が心配の種に変わっていました。この自然現象は、日常の小さな不便から、今年夏に予定されている国際イベントの水泳競技に至るまで、さまざまな心配事の種になっています。
セーヌ川での水質問題は特に深刻で、楽しみにしていた五輪イベントに暗い影を落としています。関係者がこの問題にどのように取り組んでいるのか、特に注目しています。(4月9日現在)
この低気圧を通じて、パリでの生活が自然現象にどれほど密接に影響されているかを改めて感じました。あと3か月に迫った一大イベントは、世界が注目する大きな関心事です。(4月9日現在)
開会式当日から二日間降った雨により、水質は悪化し、現在は水泳やトライアスロンでは、セーヌ川を使わない代替え案も浮上しています。(7月28日現在)
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