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メトロと電車の安全ガイド:パリ旅行者のための公共交通のヒント

 パリのメトロ生活は、日々の移動を通じてさまざまな文化的習慣やコミュニケーションの手法を学ぶ、素晴らしい機会を私たちに提供してくれます。私がこの街で体験したこと、特にメトロや電車内での些細な行動がどれほど重要であるかについて、皆さんと共有させていただきたいと思います。この記事では、「pardon(すみません)」と「Merci(ありがとう)」という二つの言葉が、日常生活において円滑なコミュニケーションを促す鍵となる方法について、焦点を当てています。

目次

最初に覚えるべき言葉: 「pardon(パードン)」

パリでのメトロ生活が始まると、最初に手に入れたいキーとなるフランス語が「pardon(パードン)」です。とこの単語は、電車のドア前での出入りをスムーズにするだけでなく、他の乗客との小さなやり取りにおいても中心的な役割を果たしてくれます。たとえば、電車が混雑していて、人々が塞がっているために奥の席に進めない場合、「pardon」と言うことで、人々が道を譲ってくれます。是非覚えておきましょう。

この言葉は、通勤ラッシュ時に特に価値を発揮してくれます「pardon」とはっきりと言うことで、他の乗客が注意を払い、必要な動きをしてくれるため、電車の乗降がずっとスムーズになります。さらに、他人と身体が触れ合ってしまった時や、荷物で誤って他人を突いてしまった時にも、「pardon」と謝ることが出来ます。お互いの尊重と礼儀を保つ上で重要な言葉です。

丁寧な言葉「Excusez-moi(エクスキューズモア)」

pardon(パードン)」よりも丁寧な言葉には、「Excusez-moi(エクスキューズモア)」があります。パードンはカジュアルな場面で使いますが、エクスキューズモアは、高齢者や体の不自由な方などに敬意を持って投げかける言葉です。「Pardon excusez-moi(パードン エクスキューズモア)」と告げると相手への気遣いが伝わります。状況に応じて使い分けましょう。

パリのメトロのラッシュアワー

パリのメトロのラッシュアワー朝8時から10時の間に見られることが多いですが、特に8時半から9時半にかけて混雑が最も激しくなります。さらにパリのメトロは「つり革」が無いため、体を支える為の掴まる場所が限られています。つり革の無い代わりに、車内の高さ約2メートルに設置された部分には手すりがあります。ただ手の届く背の高い人だけしか利用できません。他にも入り口中央に床から天井まで伸びている手すりが設置してありますが、中央付近の人だけしか手が届きません。

満員時は特に、入り口からの押し出しにより手すりを掴むのが困難になることがよくあります。そのため、中央の手すりから少し離れている位置にいると、手すりを使うことが一層困難になります。乗客が降りる際も、中央の手すり付近は混雑し、特にラッシュアワー時には手すり付近の乗客は押し出されやすい状況が生じがちです。

その際に、男性にぶつかった場合は「Excusez-moi Monsieur」、女性なら「Excusez-moi Madame」と礼儀正しく謝ることがマナーとなっています。この簡単な一言が忙しい朝の気づかいとして重要視され、日々の通勤を少しでも快適にする助けとなっています。このような対応が一般的に浸透しているため、予期せぬぶつかり合いが起こっても、丁寧な応対が期待され、乗客間のトラブルを未然に防ぐ助けとなっています。

メトロ・電車利用時の「Merci(メルシー)」

パリのメトロ生活において、「Merci」(メルシー)という言葉は、日常的な親切に対する感謝の気持ちを表すために頻繁に使われます。この言葉が特に活躍する瞬間には、以下のような場面があります。

  • 誰かが席を譲ってくれた時
  • 子供が物を落としたことを教えてくれた時
  • 出口改札で、前の人が重い扉を支えてくれた時

フランス文化では、特に幼児を連れた家族への思いやりが際立っています。電車内では、フランス人は積極的に席を譲ったり、子供が投げたおもちゃや靴を拾い上げてくれたりします。これらの行動はフランス人の温かさと思いやりの精神を象徴しています。

メトロの出口改札では、重い扉を抜ける際に、前の人がその扉を支えてくれるのが一般的です。出口を通る人々は、重い扉を開けた後、振り返りながらゆっくり手を放し、後ろに人がいれば、その人が通りやすいように扉をしっかりと支えてあげます。

これは男女を問わず一般的なマナーで、このような行動に対して「Merci」と言うことは、日常生活において小さながらも重要なマナーとなります。

朝や夕方の忙しい時間であっても、電車でのこのような些細な交流は、人々がお互いに礼儀を尽くし合う、美しい風景を生み出します。知らない人同士でも、親切な行動に対して感謝の気持ちを表現する文化は、パリの公共交通機関を利用する際の魅力の一つと言えます。

メトロが遅れる時

体験談1

パリのメトロシステムでは、駅のホームに設置された電光掲示板が、電車の到着までの時間をリアルタイムでお知らせします。日本のように時刻表が中心に掲示されているわけではないので、このシステムは特に便利です。しかし、運行トラブルが発生した場合、掲示板の表示が「XX」に切り替わり、次の電車がいつ来るのか一時的にわからなくなることがあります。このような時、復旧までの時間は不確定で、20分以上待つことも珍しくありません。

体験談2

トラブルが起こった際のアナウンスが理解できなくても、地元のフランス人に尋ねれば、親切に情報を提供してくれます。この点は、フランスの社会がいかに助け合いに溢れているかを示しています。また、急いでいる場合には、バスを利用するという選択肢もあります。バスは多くのルートをカバーしており、計画的に利用すれば、目的地に比較的早く到達することが可能です。

体験談3

さらに、メトロに乗っていると、全員が車両から降ろされることもあります。このような場合、ホームに一時的に降りて、次の電車を待つことになります。また、電車内の照明が消えて電車が停止するという事態も発生しますが、数分の待機後、電気が再び点灯し、メトロは通常通りに発車します。私自身、このような状況に遭遇した際は、約15分間待たされた経験があります。

フランスでは、「待つ」ことが美徳とされる文化があります。「待てる人は人間の器が大きい」という考え方が広く受け入れられており、些細な遅延に動じない態度は、そういった人々の落ち着きと忍耐の現れと見なされます。

スリ対策と周囲への注意

パリでの生活に慣れてくると、公共の場所、特に電車内でのスリの存在に気づくことが一つの学びです。電車で移動する際には、自分の貴重品に注意を払うことが大切です。

たとえば、一緒に電車に乗っていたとき、私のパートナーが持っていたバッグをじっと見ている人がいました。これは、周囲に常に警戒心を持つことの重要性を印象付けました。

友人からも、「電車内でスマートフォンを長時間操作するのは避けたほうが良い」というアドバイスを受けました。確かに、スマートフォンは盗まれやすく、高価なアイテムであり、再販される可能性もあるためです。

駅のホームに降りると、時々、日本語で「貴重品にご注意ください」というアナウンスが流れることがあります。これは、パリの駅に日本人旅行者が少ない場合でも、特に日本人乗客を対象とした注意喚起が行われていることを示しています。

スリから貴重品を守るためには、周囲を常に観察し、大きなバッグを開けたままにしないことや、スマートフォンに夢中になり過ぎないことが推奨されます。パリに初めて来たとき、ほとんどの街の人々が手ぶらでいることに驚きました。「なぜみんな、何も持たずに外出するのだろう?」と思いましたが、これは貴重品を守るための一つの方法かもしれません。日本と異なり、外出時には最低限の荷物で済ます人が多いようです。

音楽:パリのメトロ内でのカラオケと楽器演奏

カラオケ

パリのメトロに乗ると、時々、音響セットを携えて乗り込み、走行中の車両で歌い始める人に出会うことがあります。これを初めて見たときは、驚きの体験でした。電車の中でのライブパフォーマンスは、日本ではあまり考えられないことです。演奏者は通常、2駅から5駅ほどの間、様々な年代やジャンルの曲を歌います。そして、演奏の終わりには、紙コップを使って観客にチップを求めることが一般的です。

多くのパリ市民は、このようなパフォーマンスに慣れており、反応を示さないことが多いです。警察がパトロールで車両に乗り込むこともあり、その場合、パフォーマンスが即座に中断されることがあります。これは、無許可でのパフォーマンスが規則に違反している可能性があるためです。

楽器演奏

一方、駅構内で見られる楽器演奏に関しては、多くが審査を通過したアーティストによるものです。これらのパフォーマンスは、駅内の音響が響きやすい特性を活かして、素晴らしい音楽体験を提供しています。駅での生演奏は、聴き手に公式のBGMのような錯覚を与えるほどのクオリティを持っています。

ただし、電車の車両で演奏を行っている人全てが公認のアーティストとは限りません。車内でのパフォーマンスは、アコーディオンからサックス、フルートに至るまで、多岐にわたります。これらの演奏者は、観客からのチップを期待していることがありますが、必ずしも支払う必要はありません。

電車・メトロのマナー

優先席

電車内の優先席は、お年寄りや障害を持つ方々に優先的に譲ることが世界中で共通のマナーとされています。フランスでも、特に幼児を連れた親に対して、多くの場合、席を譲られることがあります。フランス人は一般に親切で、地域による違いはありますが、親しみやすく公平な接し方をしてくれることが印象的です。長距離で移動する乗客は席に留まる傾向にありますが、短距離の乗客は比較的に席を譲ることが多いです。また、混雑時には折りたたみ式の椅子を上げて立つことが一般的なマナーとされています。

重い改札近くのドア

パリのメトロの駅には、出入り口近くに特に重い扉が設置されていることがあります。これらの扉は非常に重く、簡単には開かないため、後続の乗客のために扉を少し保持しておくことが親切な行動とされています。この小さな行為に対して「merci」という感謝の言葉を交わすことは、互いの尊重と感謝の気持ちを示す素晴らしい文化です。前の人が扉を開けてくれた際に「merci」と感謝を表しますし、自分がその立場になったときには同じく扉を持ってサポートすることで、この良い習慣が継続されています。

不正乗車とその対策

改札を越える行為

パリのメトロ駅では、残念ながら、一部の乗客が改札を越える形で不正に乗車するケースを目にすることがあります。これは、入場時のみ乗車券が必要で、出口では乗車券の提示が求められないため、改札を乗り越えてしまえば、理論上は無料で乗車可能なためと考えられます。改札の故障でメトロの改札も電車の改札も、行き来が自由になる場所も毎日のようにあります。

コントローラーによる検問

しかし、パリの交通局はこのような不正乗車に対して厳しく対応しています。抜き打ちで行われる検問では、警察や検札員が改札の出口や駅の通路で乗客の乗車券を確認します。検問では、乗車券を持っていない場合や、逆方向への移動が発覚した場合には罰金が課されます。

定期券を持っている乗客は、検問時にそれを提示するだけで通過できますが、一回券の場合はより詳細な確認が行われます。刻印が無ければ、不正乗車になります。正規の乗車券を持っていれば、検問を気にする必要はありませんが、無効な券を持っているか、または券を持っていない場合には、罰金を支払うことになります。

車内での物乞い

メトロの旅の中で、時々、他の乗客に「物を恵んでください」と頼む人に出会うことがあります。このような場面に遭遇したとき、乗客の反応はさまざまです。一部の方は、おやつや食べ物など、手元にあるものを渡して支援することを選びます。

言葉が通じない場合や、どのように対応すべきかわからないときは、無視することも一つの選択肢となります。物乞いをする人々は様々な路線で見られますが、この行為は厳密に言えば違法であり、場合によっては罰金が科されることがあります。罰金は最大で150ユーロに達することもあります。

物乞いに対して通報が少ない理由としては、多くのフランス人が直面する困難に対して理解と寛容を示しているからかもしれません。実際に通報する場面に遭遇したことがないという方も多く、これは社会的な寛容さの表れと言えるでしょう。

駅のホームでの安全対策

ホームでの注意

ホームや車内での安全は大変重要です。不審な行動をしている人からは距離を取ることが賢明です。これには、周囲をきょろきょろと見回している人や、何かを探しているように見える人が含まれます。これらの行動は、何らかの意図を持っている可能性があるため、特に自分の荷物に注意を払うことが大切です。

スマートフォンの使用についても、周囲の状況を意識しながら行うことが推奨されます。特に観光客は、不慣れな環境でスマートフォンを使用していると、不用心と捉えられがちです。状況を理解し、周囲が混雑している際には、デバイスをしまうことが望ましいです。

取り締まりの存在

また、観光客は特に自分の荷物を守る必要があります。チャック付きのバッグや、中身が外から見えないような荷物を選ぶことで、盗難のリスクを減らすことが可能です。

駅のホームでは、時々、警察やセキュリティスタッフがボディチェックを行うことがあります。これは通常、特定の状況下でのみ実施され、一般の乗客がランダムに選ばれることは少ないです。公共の場での振る舞いに自信がある場合は、通常、これらのチェックの対象にはなりません。

ホームでの時間を安全に過ごすためには、自分の周囲に注意を払い、必要な場合には公式な人員に相談することが重要です。

まとめ

パリのメトロと電車を使う旅は、この街の日々に深く溶け込む素晴らしい機会を私たちに与えてくれます。公共交通を利用しながら、パリジャンの生活リズムを直接体験し、文化についての新たな理解を深めることができます。このブログで、私たちはメトロや電車を安全かつ楽しく使うための幾つかの重要なポイントを皆さんと共有してみました。

  • マナーとエチケット: 優先席の譲り合いや、荷物の扱い方については、共通のマナーが存在します。互いに敬意を持って行動することが、快適な旅のために不可欠です。
  • 安全対策: 不審な行動を避け、貴重品には常に注意を払うことが重要です。特に、不正乗車や物乞い、そして荷物の盗難は、警戒すべき事項の一例です。
  • 地元文化の理解: パリでの公共交通は単なる移動手段ではなく、地元の人々の生活様式や文化を学ぶ機会も提供してくれます。メトロや電車内での小さな観察から、パリジャンの日々の振る舞いや対人関係のヒントを得ることができるでしょう。

パリのメトロや電車をご利用になる際には、これらのポイントを心に留めていただき、都市の鼓動を感じながら、ご自身の旅をより豊かなものにしていただければ幸いです。公共交通を通じてパリを探索されることで、旅はさらに記憶に残るものとなるはずです。

この記事Q&A

パリのメトロでの優先席のマナーはどのように守るべきですか?

パリのメトロ内での優先席は、高齢者、障害を持つ方、妊婦、または幼児を同伴する親などに譲ることが求められます。席に座っている場合は、これらのグループに属する人が乗車した際には、積極的に席を提供するのがマナーとされています。

パリの公共交通での安全対策にはどのようなものがありますか?

パリの公共交通機関では、貴重品を身の回りにしっかりと保持し、不審な行動をしている人からは距離を保つことが推奨されます。また、遅い時間帯の移動では、より人が多い車両を選ぶなどして安全を確保してください。

パリのメトロや電車で日常的に使うフレンチフレーズはありますか?

よく使うフレーズには「Pardon」、「Excusez-moi」、「Merci」があります。特に人混みの中で誰かとぶつかった時や、誰かが席を譲ってくれた時にはこれらの言葉が役立ちます。

パリでの公共交通機関のチケットで注意するべきことは?

券売機での購入は大人用のチケットと子供用のチケットがあります。割引券は子供用チケットのため、間違えて大人が使用すると50ユーロの罰金対象となるのでご注意ください。

メトロ内で音楽を演奏する人にチップを渡すべきですか?

駅構内などで演奏している人は、質の高い公演を保証するために厳しい審査に合格したアーティストです。楽しめた場合、小額のチップを渡すことが一般的ですが、これは任意であり、演奏を楽しんだ場合にのみ、自分の感じた価値に応じてチップを渡すことをお勧めします。車内での演奏は、公式の許可がない場合が多く、法的に取り締まりの対象となることがあります。そのため、車内で演奏を行っている者にチップを支払う義務はありません。

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