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2024年パリ五輪期間中のゴミ回収ストライキ計画は解除!

パリの歩道には回収日にゴミ箱が置かれます。
パリの歩道にはゴミ回収日にゴミ箱が設置されます。

2024年の夏、ゴミ回収業者のストライキが街の景観を一変させ、歩道にゴミの山が積み上げられる危機に直面しましたが、パリ市との交渉の末、ストライキは短期間で終了し、合わせて五輪期間中のストライキ計画も中止されました。昨年3月、年金改革に反対するストライキが原因でパリ全域にわたる衛生問題を引き起こしましたが、今年もストライキの懸念が生じていましたが、計画は解除されました。

目次

ストライキ要求の主な概要

全職員に対する給与増額の要求

  • 全職員に対して、職務に応じた責任を認め、IFSEとして知られる公務員特有の手当を月額400ユーロ増額することを要求。さらに、2024年の夏に予定されている五輪(JOP)の特別ボーナスとして1900ユーロを要求。

特定職種への追加手当

  • 運転手を含む特定職種の職員には、追加で月額300ユーロの手当を支給することを要求。これは、彼らの持つ特殊なスキルと職務の重要性を認めるため。

運輸管理者と技術職に関する新給与導入と人員の増加

  • 運輸管理者には新しい給与体系を導入し、技術職には必要な人員を増加することを提案。これにより、効率的なサービスの提供と職員の満足度向上を目指す。

当初予告したストライキの期間

  • 2024年5月14日(火)から16日(木)、22日(水)から24日(金)
  • および 2024年7月1日(月)から9月8日(日)まで

ストライキ解除

※2024年5月15日に全て撤回し、通常通りに移行。五輪期間中のストライキ通告も解除されました。

夏の五輪に対する地元の懸念

五輪に関してはさまざまなデモ活動があり、反対意見も無視できないほど多く、特に地元にいる人は治安の問題やゴミなどの環境問題に関心があります。

多くの見知らぬ人々が訪れるため、地元住民の中には防犯に関して昼夜不安を感じている人もいます。ゴミなどの散乱は誰が片づけるのかと言う問題もあります。例えば日本では住民が自ら玄関前を掃除することが一般的ですが、フランスではこのような作業は通常、専門の業者が行います。玄関前を掃除しているのを見たことがありません。パリに住んでいると、朝や昼、夜でもゴミ回収を行っているのを目撃することが出来ます。

しかし、ゴミ回収業者の他に、道路や歩道を掃除する業者がストライキをすると、ゴミの回収と道路の掃除が中断され、誰も掃除をする人がいなくなってしまいます。

パリ市民にとっての夏の考え方

通常、フランスでは夏季休暇を休息や家族との時間として過ごすことが一般的ですが、五輪の開催がこれに一定の影響を与え、さまざまな業種でデモ活動が行われています。

ストライキがもたらす問題点

衛生面での懸念

ゴミ回収業者や道路清掃車のストライキにより、特に観光地近くの飲食店前には大量のゴミ袋が放置される可能性があります。これは、美味しい料理を提供するレストランにとって避けられない事態であり、ゴミの臭いが食の楽しみを大きく損ねることになるかもしれません。歩道に面したオープンカフェの客足が減少し、これがパリの観光業に打撃を与える可能性があります。

ねずみとの共存

パリは600万匹のねずみがいると言われています。私が歩道を歩いている時も、道路わきに設置されたゴミ置き場からねずみが3匹走っていくのを見たことがあります。ゴミ捨て場が外に置かれているため、ねずみが繁殖しやすい環境になっています。夏の大会中、競技会場近くでネズミが目撃される事態やカメラに捉えられる事態も想定され、選手や観客に影響を与える可能性があります。

関連リンク:パリの小学校でのねずみ騒動から考える―五輪期間中の心配

降雨後の問題点

大雨が降ると、外に出されたゴミ袋に水が侵入して、ごみの臭いが増幅してしまう可能性があります。ゴミが道路に流出し、公衆衛生にさらなるリスクをもたらす恐れがあります。セーヌ川は雨が降ると、増水しやすい環境になっています。下水道が溢れやすくなり、万が一、夏に洪水が起きた場合、道路に置かれたゴミが汚水によって街を破壊してしまうかもしれません。このような状況はオリンピックの競技運営にも直接的な影響を及ぼし、選手や観客の安全に重大な懸念を生じさせることになります。

関連リンク:フランス・パリでは低気圧で黄色警報になる:セーヌ川の水位は?

この記事のQ&A

Q1: なぜパリのゴミ収集作業員はストライキを計画したのですか?

A1: パリのゴミ収集作業員は、五輪期間中の追加労働に対して公平な報酬を求めていました。通常の給与に加えて、特定のボーナスが警察官には支給されているのに対し、彼らにはそれが提供されていないために計画されていました。

Q2: 労働者が求めている具体的な要求は何ですか?

A2: 労働者は月額400ユーロの上乗せと、一時的なボーナスとして1900ユーロを要求しています。これは、五輪で予想される過剰な労働量と休日返上など責任に対する補償です。

Q3: パリ市はこれにどのように応じていますか?

A3: パリ市は五輪に貢献した労働者に600〜1900ユーロのボーナスを支給すると発表しましたが、この支給額は時間外労働に対してです。市側はオリンピック期間の作業負担によって支給される。と述べています。

Q4: ストライキが実際に起こった場合、どのような影響が予想されますか?

A4: ストライキが行われると、パリ市内の公共衛生に大きな影響が出る可能性があります。特に五輪のイベント中には、街中にゴミが溢れる事態が起こり、景観を損ない、悪臭や健康被害などが想定されます。

Q5:最終的にどうなりましたか?

A5:地元紙によると、2024年7月から月額50ユーロの給料増額が施行され、2025年1月からは月額30ユーロの増額に変更されました。また、ストライキ通告も解除されました。

2024年5月は、他にもストライキがありました。航空管制官のストライキの動向については、こちらの記事をご覧ください。
2024年5月フランスの航空管制官が再度ストライキを宣言!(最新:5月25日)

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